「学校に行けなかった中学生が漫画家になるまで 起立性調節障害とわたし」の紹介
起立性調節障害の経験を描いた漫画が出版されましたので紹介します。
「学校に行けなかった中学生が漫画家になるまで 起立性調節障害とわたし」
月本千景 著。中央公論新社。
https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/12/005485.html
著者・月本千景さんは中学1年生の時に発症、起立性調節障害と診断され治療を受けるものの、中学時代はほとんど不登校になります。
高校は通信制に進み、病気と向き合いながら、自分のやりたいことを見つけ、漫画家を目指す姿が描かれています。
朝起き上がれず、めまい、動悸、吐き気などの症状の苦しさ、遅刻や欠席が増えて学校に行きたいのに登校できない悩み、周囲に理解されない辛さ、友人や家族など人間関係の悩み、将来への不安など、当事者にしか分からない経験や心情がリアルに表現されています。
起立性調節障害で悩んでいるお子さんやご家族にはとても共感できて、励みになるのではないでしょうか。
私も起立性調節障害で悩んでいるお子さんに多く接しているので、当事者がどのような辛い思いをしているか理解するのに役立ちました。
多くの人に知っていただき、この病気への理解が進むといいですね。
この本は整体院に置いてありますので、ご来院いただいた時にお読みいただけます。
貸し出しもしていますので、ご希望がありましたらお申し付けください。
出版社の紹介文
病気の兆候は、授業中に突然起こった――
度々起こる記憶喪失。それに伴い、コミュニケーション能力と学習能力の低下が著者・チカゲを襲った。原因がわからず戸惑うチカゲは、「何とかしなければ」とさまざまな対策を試みる。それでも最も症状が重い思春期は、ベッドから起きあがることもできなくなり、不登校に。
起立性調節障害(OD)は、程度の差こそあるが思春期の子ども10人に1人がかかる病。自律神経の不調が原因で、立ちくらみやめまい、時には倒れてしまうこともある。目に見える病ではないため、周囲の理解が必要だ。
著者自身、暗くて思い出したくないと思っていた過去の出来事だったが、今回漫画に描くことで、病名が判明するまでの混沌とした気持ち、診断がついた瞬間の安堵、家族や友人・先生など周囲への感謝、「皆と違う」ことへの不安、夢への希望を持つことの大切さ、さまざまな感情に気づき、迷いながらも成長していく。
同じ病気で苦しんでいる人はもちろん、病について知らない人も思わず引き込まれる。唯一無二の闘病コミックエッセイ。