起立性調節障害の参考図書を紹介、経験談・解説書
起立性調節障害は中学生の1割がかかると言われており、決して珍しい病気ではないのですが、一般には知られていないため、発症して初めてそのような病気があることを知ったという人が多いようです。
試しにインターネットで「起立性調節障害 ブログ」で検索すると170万件もヒットします。
アメブロだけでも45,000件以上の記事がヒットします。
一般には知られてなくても、いかに多くの人が起立性調節障害で困っているのが分かります。
当院のお客様は起立性調節障害のお子さんが多いため、経験談や解説書など参考になる関連本をご用意していますので、いくつか紹介します。
マイナーな病気のため、家族や友人、学校にもなかなか理解されず、悩んでいる人にとって、当事者の経験談は、同じような経験をしている人が自分だけではないとわかり、励みになると思います。
専門家による一般向けの解説書は、どのような特徴があるのか、どのような原因で発症するのか、病院ではどのような治療をするのか、どのように対処すればいいのかなどが説明されています。
一般向けなので、イラストが多く中学生でも読めるような内容になっています。
学校の先生などに説明して理解してもらうのにも役立つでしょう。
紹介した本は整体院に置いてありますので、ご来院いただいた時にお読みいただけます。
貸し出しもしていますので、ご希望がありましたらお申し付けください。
学校に行けなかった中学生が漫画家になるまで 起立性調節障害とわたし
月本千景 著。中央公論新社。2021年刊。
【内容紹介】
病気の兆候は、授業中に突然起こった――度々起こる記憶喪失。それに伴い、コミュニケーション能力と学習能力の低下が著者・チカゲを襲った。原因がわからず戸惑うチカゲは、「何とかしなければ」とさまざまな対策を試みる。それでも最も症状が重い思春期は、ベッドから起きあがることもできなくなり、不登校に。
起立性調節障害(OD)は、程度の差こそあるが思春期の子ども10人に1人がかかる病。自律神経の不調が原因で、立ちくらみやめまい、時には倒れてしまうこともある。目に見える病ではないため、周囲の理解が必要だ。
著者自身、暗くて思い出したくないと思っていた過去の出来事だったが、今回漫画に描くことで、病名が判明するまでの混沌とした気持ち、診断がついた瞬間の安堵、家族や友人・先生など周囲への感謝、「皆と違う」ことへの不安、夢への希望を持つことの大切さ、さまざまな感情に気づき、迷いながらも成長していく。
同じ病気で苦しんでいる人はもちろん、病について知らない人も思わず引き込まれる。唯一無二の闘病コミックエッセイ。
起立性調節障害(OD) 朝起きられない子どもの病気がわかる本
田中大介 監修。講談社。2021年刊。
【内容紹介】
朝起きられず学校には行かないのに、夜は元気な様子でなかなか寝ない子どもは、「やる気がない」「気合が足りない」「怠けている」「サボっている」などと思われがちです。しかし、本当は、起立性調節障害(OD)という体の病気がまねく症状かもしれません。起立性調節障害(OD)は、体の機能を調節する自律神経がうまく働かないために、その名のとおり「起立」したときにさまざまな不快な症状が現れやすくなる病気です。決して珍しい病気ではありません。ODの症状が強い子どもは、遅刻や欠席をくり返すうちに、不登校になっていく場合が少なくありません。中学生の約1割、不登校の子どもの3~4割にみられます。
朝なかなか起きられない子どもに対して、「早く寝ないから!」と言いたくなるのも無理はありません。しかし、本人のやる気の問題ではなく、体のしくみの問題です。子どもの状態への理解が不十分なまま、よかれと思ってする周囲の働きかけが、結果的には不適切なものとなり、ますます状態を悪化させることもあります。
まず、根本的な原因を知ることが、適切に対応していくための第一歩です。本書では原因や症状など病気の基礎知識から対処法、学校とのかかわり方までアドバイス。ODの実態と悩む子どもの支え方がわかる一冊です。
起立性調節障害がよくわかる本 朝起きられない子どもの病気
田中英高 監修。講談社。2013年刊。
【内容紹介】
子どもが思春期になってから「朝、なかなか起きられなくなった」「遅刻や欠席を繰り返す」「午前中、ずっと調子が悪い」……。その症状、もしかしたら起立性調節障害かもしれません。一般には、まだあまり知られていない病気ですが、全国でなんと約70万人の中高生が発症しています。医療機関で調べても特に異常がなく、親や教師から仮病とみられてしまったり、場合によっては、そこから不登校や引きこもりにつながったりするケースも多くあります。
本書では、症状の見極め方から診断法、治療法、日常生活の注意ポイントまでを専門医がイラストでわかりやすく解説。保護者、教育関係者必読の1冊です。
うちの子が「朝、起きられない」にはワケがある 親子で治す起立性調節障害
森下克也 著。メディカルトリビューン。2012年刊。
【内容紹介】
「朝、起きることができずに、学校に行くことができない」それなの「夜は嘘のように元気になることもある」―それを起こすのが起立性調節障害という病気です。思春期の子供がなる病気ですが、大人たちにはどうしても理解できません。外見上何ら異常はなく、病院の検査でも異常なし・・・・・・時として子どもたちは「怠け病」「うそつき」など心のない言葉をぶつけられ、傷つき、人間不信に陥り、中には引きこもりとなってしまう子さえいます。
本書はこのような「起立性調節障害」に対する無知と無理解から来る負のスパイラルをなくすために書かれました。心療内科医として長年、起立性調節障害の子供たちの診察の中から積み上げられた治療(主に漢方治療)や日常生活の中で取り組めるトレーニング方法について書かれています。また、親や教師など周りにいる大人たちがどのように対応し、どんな言葉をかければよいかなどにも触れています。
朝起きられない子の意外な病気 「起立性調節障害」患者家族の体験から
武 香織 著。中央公論新社。2012年刊。
【内容紹介】
思春期の子どものおよそ一割がかかるとも言われる、起立性調節障害(OD)。その症状は「朝、起きられなくなること」。学校や病院の理解も進まないまま、不登校の隠れた原因になっている。息子の病気に直面した著者が、自らの体験と周囲の患者家族の声を綴った子どもの病気の新常識。